私たちの目指すもの

千年企業を訪ねて2017年1月

あぶり餅屋「一和(いちわ)」さんのことを書いてみたいと思います。

もともと私は、「千年続く農業を行い、千年続くお客様にご奉仕したい」という願いをもっております。

これは、中洞正先生(岩手県中洞牧場、山地酪農推進者で木村秋則先生の親友)

http://nakahora-bokujou.jp/nakahora/nakahora.html

の「本物を作り続ければ千年は続く」という信念に共感して作りました。

ただ、自分たちが千年続くためには、自分たちの努力・精進のみでは達成できません。私どもの「土」農地を支えて下さるお客あってこそ初めて千年続いて行くことが可能になります。

そういう思いから私たちの起業目標「千年続く農業を行い、千年続くお客様にご奉仕したい」が生まれてまいりました。

そうして、516日第2回東京セミナー、613日第1回大阪セミナーでは

「食と健康」からさらに食生活改善にまで踏み込んだセミナーをさせて頂き

お客様の命の絆が脈々と力強く受け継がれていくことを願っております。

私どもは、都市部の生活者と田舎の生活者が、ともに「成長」して行くことを願っております。(国土の維持・保全と現下の国際政治情勢を考慮すると危機管理上、「経済成長は不可避」です。自立と自由にはそれなりの代償が求められます。)

そのため、都市部での自然栽培普及促進と販路拡大を兼ね、東京と京都の優れた料理長に自然栽培の野菜をご紹介し、使って頂くことも進めております。

しかし、あくまでも基本は、お客様と「一対一」で、

私どもの野菜をお客様のご家庭にお届けし

ご家族で味わって頂き、

家族皆様が健康になっていただくこと。

そして「自然の恵みに感謝する日本人の原点」を代々の長きにわたり伝えて頂くことを河野農園の使命・本分といたしております。

農園をその本分以上に大きくし利益の極大化を図ることは、私ども「河野農園の志」とは大きく異なります。

そういう意味で1000年続く企業を調べて行くと、京都にあぶり餅屋一和さんがございました。長保2(西暦1000)。平安時代から続く日本最古の和菓子を、昔と変わらぬ製法で作り続けておられる老舗でした。

http://next.rikunabi.com/journal/entry/20141128

真向いには、よく似た構えのお店が、もっと今風の店構えであぶり餅を売っておられました。そちらの方が流行っているかもしれません。

商品は一品、あぶり餅、一皿500円のみ。

これを、今宮神社にお参りに来られる方々に、

はんなりした京都弁「お帰りによっておくれやす。」

と呼び込み販売をされておられます。

店の女主人は、店の最前列、真ん中に陣取って、ひたすら餅をあぶっておられました。

座って焼きあがるのを待っているお客様への声掛けなどありません。

お客様は静かに外の景色を見ておられます。

待つこと15分。お茶と一緒に出てきました。

味は確かに美味しい。白みそ醤油味で、簡単に食べられます。

13g13本。全部で小餅一個分だとのことです。

簡単におなかに収まりました。

でも、もう一皿欲しいとまでは思いませんでした。

少なくても充分でした。

「これで千年?」

千年続いてこれた理由は何だったのでしょうか?

いくつか考えてみました。

  1. 店を大きくはしなかった。

    普通の女将の器に合わしていた。

  2. 味は、季節により微妙に異なるとのこと。

    変えていないようで日々変えている。

    レシピは無い。感性に従っている。

  3. 作り方が面白い。昔ながらで、変えていない。

    ご座の上で、餅を棒状にしてちぎり、きな粉をまぶしています。

    保健所からクレームが来たそうですが、押し切ったとのこと。

    「あんたらができる前からやっている。お客様に来てもらっている。」

    とか、反論されたのではないでしょうか?

  4. 職員の指導が徹底している。きびしいようです。

    私語をしているような人はもちろんいません。

他にもあるかもしれません。

もっと大事なことが、当たり前のように行われていて隠れて見えないのでしょう。

主人は、全責任を持ち、朝一番早く起き、夜片づけて一番遅く眠る。

こんな普通のことかもしれません。解りません。

立派な和菓子屋がたくさんある京都の中で、あぶり餅一筋をやり続ける志

それは、今宮神社に詣でる方への心からの奉仕の精神にあったのではないかと

思います。

愚直に一筋、神仏のご加護を祈念しつつ、日々の業をさせて頂くという気持ちが

なければ、この事業は続かななかったのではないかとも思います。

私どもも、神仏のご加護を頂きながら愚直にご奉仕させて頂こうと思っております。

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苗用の土作り

河野農園では、お野菜もお米も苗作りから始まります。

種を播く土も無農薬・無肥料のそれぞれの畑や田の土を使います。

粘土質の土塊をこぶし大まで崩して乾かし

何回も木槌で砕いてふるいながら「土」を取って行きます。

お野菜用の畑の土は5mm以下、お米用の田の土は3mm以下までふるいます。

土埃がひどいので防塵マスクを着用します。

こうして作った土に,培土やくん炭を混ぜた土に種を播くのです。


 

足かけ3年の基盤整備工事

 

2017年から新規に農地を借り入れしましたが、

 

残念ながら湿田で排水性も湛水性も乏しい状態のモノでした。

 

大型機械を入れても緩くて収穫を放棄するような田んぼで、私どもの持つ小さいトラクターを入れますと、泥にはまって出られなくなってしまう様な地盤の緩い土地でした。

 

給排水の配管位置がわからない。

 

あるいは機能していない。

 

法面が崩落している、漏水が著しい。

 

地面の傾斜が偏っているなど等の問題から、すぐに作付けできるような土地ではありませんでした。

 

そのため、夏場の晴れ間などを使い、こつこつと排水管の再敷設、

 

外溝の掘削、崩落法面の補修などをして、ようやく湿田を畑の圃場として利用できる形に整えました。

 

 

 

はじめはバックホーを入れるのもお腹をすってアームで移動しなければ動けないような場所でしたが、

 

少しずつ排水性を良くしながら、

 

時間と労力をかけて利用できるように改善しました。

 

 

 

中山間部の農地は大体みな同じような状態ではないでしょうか。

 

大規模な圃場整備をしてから当地では40年が経過し、

 

大規模化、機械化などの取り組みなどがあったそうですが、

 

大きい田んぼでもせいぜい23反で、のり面が高く、平野部で見られる畔を乗り越えての

 

圃場の移動などが無理な場所が多いため、農機の移動も、畦畔の草刈りの労力も平地とは全く違います。

 

そんな山間部ですが、

 

地道にコツコツと取り組んでおります。

BEFORE

工事前

 AFTER

工事後

種取り用ハウスの完成

 

18年末から新規圃場の基盤工事と並行して進めていたのが種採りハウスの建設です。

 

山が近く、周辺からの受粉の可能性も少ない場所ではあるものの、水はけの悪い死地を改良しての建設です。

 

もともと地下水位が高い場所でしたが、畝を高く盛ることで野菜が問題なく育つことは確認できていましたので、土台を作りその上に土を盛り、畝を立ててからの、建設基準の作成。

 建設開始

基盤工事に注力していたため、19年から骨格の建設をはじめました。アーチパイプを配置し、背骨となる直管を5本固定しましたが、やはり地盤が緩いため、場所により水引線より5cm沈むという状態に。

 骨格

アーチの穴に小石など詰め込んで固定してはいましたが、建設を進めて鉄管の骨がそれぞれ組み合わさると重さもそれなりになります。勝手に沈みます。

 

ということで丸太を切って下鉄管と地面の間にかませてジャッキアップ。これで下がりすぎることはなくなりました。一通りの骨組みを組むのは終えて、19年の秋に聖護院蕪の種を撒き、骨組みだけのハウス内で栽培開始です。

 聖護院蕪

20年の1月に入り妻面の建設も終えて、本格的にビニールや防虫ネットの展張となるのですが、綾部では3月に岸焼という川岸や農道・畔などの冬の枯れ草を焼き払う行事があります。

 

山が近いので結構な法面があり、毎年焼くのですが、ビニールハウスにとっては火の粉が飛んで触れると穴の原因になります。今年は雨のため中止になりましたが、当日の天気によるので、中止か岸焼が終わるまでビニールは張れませんでした。そうこうしているうちに無事に育った聖護院蕪は花芽を伸ばし始めます。あまり大きいとは言えませんが霜にも虫にも負けなかった、形の良いものを残して間引き、選抜をします。

 

1月には防虫ネットを張り、岸焼中止後に天井ビニールを張り、急ピッチでハウス外観を建設。無事開花までには扉もついて建設が終わりました。今は開花してくる菜花にひたすら受粉作業をしています。

完成 

今年から夏野菜の一部も植え付けをし、交雑の心配が低いものを種採りしていく予定です。

 

  



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店長ご挨拶

綾部市に移り住んではや6年、木村秋則式自然栽培に学び、無肥料・無農薬での栽培を行っております。
4年間土作りに取組み、まだまだ田んぼの土ですが、そんな中で頑張って根を張り、一生懸命育ったお野菜をご提供しております。
永続可能で環境負荷の低い自然栽培で育った、自然の深い味わいと、変化をお楽しみ頂ければ、幸いです。
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