食と健康

野菜から学ぶ本物と偽物

野菜から学ぶ本物と偽物

と言っても、本来議論を始める前には、必ず

言葉の定義を明確にしておく必要があります。

そうでないと、議論が集約せず、拡散しますので。

ここでの本物とは、野菜という植物生命体の話ですので

永続する生命作用を持つ健康な物ということです。

偽物は、永続する生命作用を持たないものもしくは

不健康なものとなります。

この定義では、F1種の食べ物は本物とはなりませんし

GMO(遺伝子組替作物)も本物とはなりません。

このテーマを考えた契機は

私どもの野菜を頂かれたお客様の中には

私どもの野菜と、マーケットでご購入された野菜の

味が変わらないとおっしゃる方がおられたことが始まりです。

もう既にお気づきのように

上記の定義と、それを考えるもとになった契機とは

視点が異なっております。

本物とは、永遠の生命作用を持つかどうか

野菜が健康かどうかがpoint

本来、味の良し悪しではないのです。

では、どうしたら、一般消費者の方が、

本物と偽物を見分けることができるのでしょうか?

すなわち、生命作用や健康度を基準にして

見分けることができるのでしょうか?

そのためのcheckpointを列記しました。

ご参考にしてください。

1.生もしくは味付けせずに食べてみると

スーッと体に入ってくる。透明感がある。

いくらでも無理なく食べられる。

2.えぐみがない。

3.日持ちがする。

4.腐敗実験をすると、発酵するか枯れて行く。腐らない。

逆に、偽物は

1.多く食べるとうんざりする。体に抵抗感が生まれる。

2.えぐみがある。

3.すぐに腐る、溶ける。

4.腐敗実験すると腐る。.

一度、お試しください。

なぜ、味の点を外しているのかと言うと

味覚は、その方の置かれている食生活環境によって相当変わります。

出汁をご自分でお取りにならない方、化学調味料を多用されておられる方、加工食品・冷凍食品を多用されている方、外食の多い方は、肉・乳製品・卵のお好きな方の多くは、一般的にミネラル不足の状態になり、舌の感覚が鈍ってきます。こういう方は刺激の強いお料理を好まれます。

(残念ながら、切れる子供、心の病の多発はこのミネラル不足から生まれます。舌の感覚が鈍るということは、感性が鈍っていき、結果として感情の振れを大きくして行きます。

また、肉・乳製品・卵はGMO穀物飼料を使っておりガンを多発す上、その劣悪な生育環境から抗生物質・ホルモン剤が多用され製品に残って行きます。)

一方、自然栽培の野菜の味は、野に咲く花のように目立たずおとなしいので

物足りなく感じます。雑草のようにあるがままで、人畜無害なのです。

また、調理法にも問題があり、慣行栽培の野菜のように味が薄い農産物を対象に開発された味の濃い調理法だと、野菜の味は解らなくなります。

慣行栽培の野菜は、居酒屋やファミレス向けに栽培されており、マニュアル化されたレシピどおりに味付けができないと困るので、野菜は味が薄い方が良いのです。

その代わりに、規格通り、形・色が鮮やかで、量がそろはないと困ります。値付けが難しくなるからです。

変化のない中で販売量を上げるため、宣伝文句と視覚に訴えって行きます。

味は個人差があって、訴求するのが難しいからです。

訴求するとしても、甘い、辛いという風に単純・極端に走ります。

そして時に、珍しい野菜が導入され変化をつけてくれます。

key wordは「変化」です。

今の社会が、「変化と挑戦」を求めてきているように。

一般的に見栄えが悪く、サイズもばらつき、個性的で、味に濃淡がある自然栽培の野菜は、大量消費のマーケットには向きません。

変化するとしてもゆっくりと変化して行きます。

人間の体もそのように変化してきました。

食べるものが体を作っているということを忘れてはなりません。

今多く多発している病気の全ては、自分たちの食生活から生じていることから解りますように。

一方、有機栽培の方が味が濃いと言われています。

それは、肥料が潤沢に与えられることによります。

その代わりに、肥料投与の管理が難しく、肥料が過剰投与されている場合には

硝酸態窒素が多く残り、野菜にえぐみが残ります。

そういう野菜を腐敗実験すると、慣行栽培で農薬・肥料を使用した野菜より早く腐り

悪臭を放ちます。

JAS有機では、硝酸態窒素の基準が設けられておりません。)

良心的なベテランの有機栽培農家が、適切に施肥管理された作物を選ぶ必要があります。

でも、これも難しいのです。

有名な農家さんが、おいしいからと言われて皆に注目され急きょ拡大された農地でできたものは、まだ土が十分できていないので、恐ろしくまずいものも生まれます。

でも、時の勢いに流されてそれを販売されてしまいます。

(実は農業も本当は芸術と同じで、一流の方はダメなものは世に出さないのです。)

私自身体験したのですが、今までおいしかったニンジンが、急にまずくなったのです。

Netでしらべたところ、大型機械を導入、大規模に農地を拡大されていました。

欲に流されると、良心的な農家さんもダメになってしまうものです。

それだけ、野菜の味とは変わるものなのです。

結局、本物の味は何かを消費者の方々も見極め続ける努力が必要です。

苗用の土作り

河野農園では、お野菜もお米も苗作りから始まります。

種を播く土も無農薬・無肥料のそれぞれの畑や田の土を使います。

粘土質の土塊をこぶし大まで崩して乾かし

何回も木槌で砕いてふるいながら「土」を取って行きます。

お野菜用の畑の土は5mm以下、お米用の田の土は3mm以下までふるいます。

土埃がひどいので防塵マスクを着用します。

こうして作った土に,培土やくん炭を混ぜた土に種を播くのです。


 

足かけ3年の基盤整備工事

 

2017年から新規に農地を借り入れしましたが、

 

残念ながら湿田で排水性も湛水性も乏しい状態のモノでした。

 

大型機械を入れても緩くて収穫を放棄するような田んぼで、私どもの持つ小さいトラクターを入れますと、泥にはまって出られなくなってしまう様な地盤の緩い土地でした。

 

給排水の配管位置がわからない。

 

あるいは機能していない。

 

法面が崩落している、漏水が著しい。

 

地面の傾斜が偏っているなど等の問題から、すぐに作付けできるような土地ではありませんでした。

 

そのため、夏場の晴れ間などを使い、こつこつと排水管の再敷設、

 

外溝の掘削、崩落法面の補修などをして、ようやく湿田を畑の圃場として利用できる形に整えました。

 

 

 

はじめはバックホーを入れるのもお腹をすってアームで移動しなければ動けないような場所でしたが、

 

少しずつ排水性を良くしながら、

 

時間と労力をかけて利用できるように改善しました。

 

 

 

中山間部の農地は大体みな同じような状態ではないでしょうか。

 

大規模な圃場整備をしてから当地では40年が経過し、

 

大規模化、機械化などの取り組みなどがあったそうですが、

 

大きい田んぼでもせいぜい23反で、のり面が高く、平野部で見られる畔を乗り越えての

 

圃場の移動などが無理な場所が多いため、農機の移動も、畦畔の草刈りの労力も平地とは全く違います。

 

そんな山間部ですが、

 

地道にコツコツと取り組んでおります。

BEFORE

工事前

 AFTER

工事後

種取り用ハウスの完成

 

18年末から新規圃場の基盤工事と並行して進めていたのが種採りハウスの建設です。

 

山が近く、周辺からの受粉の可能性も少ない場所ではあるものの、水はけの悪い死地を改良しての建設です。

 

もともと地下水位が高い場所でしたが、畝を高く盛ることで野菜が問題なく育つことは確認できていましたので、土台を作りその上に土を盛り、畝を立ててからの、建設基準の作成。

 建設開始

基盤工事に注力していたため、19年から骨格の建設をはじめました。アーチパイプを配置し、背骨となる直管を5本固定しましたが、やはり地盤が緩いため、場所により水引線より5cm沈むという状態に。

 骨格

アーチの穴に小石など詰め込んで固定してはいましたが、建設を進めて鉄管の骨がそれぞれ組み合わさると重さもそれなりになります。勝手に沈みます。

 

ということで丸太を切って下鉄管と地面の間にかませてジャッキアップ。これで下がりすぎることはなくなりました。一通りの骨組みを組むのは終えて、19年の秋に聖護院蕪の種を撒き、骨組みだけのハウス内で栽培開始です。

 聖護院蕪

20年の1月に入り妻面の建設も終えて、本格的にビニールや防虫ネットの展張となるのですが、綾部では3月に岸焼という川岸や農道・畔などの冬の枯れ草を焼き払う行事があります。

 

山が近いので結構な法面があり、毎年焼くのですが、ビニールハウスにとっては火の粉が飛んで触れると穴の原因になります。今年は雨のため中止になりましたが、当日の天気によるので、中止か岸焼が終わるまでビニールは張れませんでした。そうこうしているうちに無事に育った聖護院蕪は花芽を伸ばし始めます。あまり大きいとは言えませんが霜にも虫にも負けなかった、形の良いものを残して間引き、選抜をします。

 

1月には防虫ネットを張り、岸焼中止後に天井ビニールを張り、急ピッチでハウス外観を建設。無事開花までには扉もついて建設が終わりました。今は開花してくる菜花にひたすら受粉作業をしています。

完成 

今年から夏野菜の一部も植え付けをし、交雑の心配が低いものを種採りしていく予定です。

 

  



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店長ご挨拶

綾部市に移り住んではや6年、木村秋則式自然栽培に学び、無肥料・無農薬での栽培を行っております。
4年間土作りに取組み、まだまだ田んぼの土ですが、そんな中で頑張って根を張り、一生懸命育ったお野菜をご提供しております。
永続可能で環境負荷の低い自然栽培で育った、自然の深い味わいと、変化をお楽しみ頂ければ、幸いです。
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