農業レポート
自然栽培でも、土の状況・日照時間、栽培方法によって味は全く異なる
今回のレポートは、自然栽培でも味、収量が全く異なることについてお話致します。
私共はメインの野菜圃場2か所とは別に、実験圃場を3か所持っています。
竹良・・・元水田を畑にされておられた圃場で2年間耕作放棄されていた圃場
東に家が建っており、朝日の日照時間が少し少ない。
地蔵前・・赤土で盛り土をした圃場で同じく2年間耕作放棄されていた圃場
日当たりは極めて良い。
水はけは工事したが、3圃場の中では一番悪く、地下水位は20cm以内。
庭・・・・もとは良い畑のはずだったのが、工事の関係で表土を一方に寄せたため
結果として赤土が向きだしたところに、少し山土を上乗せした圃場。
水はけ良く、地下水位は30cmはある。
この3か所に、今年の春、大豆の苗を同時期に定植しました。
しかも栽培には、途中で摘心(成長点を切除)することなく、そのまま育てました。
栽培方法
①圃場の土は元水田の土で栄養豊であり、②,③のような草マルチを
していない。
②圃場の土は、表土も薄く、ベースの土は赤土で痩せている。
それを、近くに生える雑草を刈り、その刈草を畝にのせては乾かし
土壌に栄養を与えた。しかしすき込んではいない。(自然農法スタイル)
③元赤土で何も生育しなかった場所だが、雑草を生やし
それを刈り、積み上げることで土に栄養を与えた。(自然農法スタイル)
少し上乗せした山土部分は、土の団粒構造も良いが、栄養分は少ない。
結果
収量 ①60g
②200g
③50g
味 ①滋味がある
②淡泊
③少し滋味がある
写真 ①竹良
②地蔵前
③庭
摘み取り後の比較
特に目立つのが、②の地蔵前圃場です。
もともとの土質は最悪で何も大きく育たなかったのですが、自然農法スタイルの草マルチ方式で短期に圃場が豊かになり、収量も極めて高くなりました。
ただ、味が淡泊。要は水くさい。この味は、慣行農法の味に近いものでした。
やはり、急速に効果のあるものは、数量・形は達成できても
味、すなわち旨味までは達成できないのです。
「水田を畑に転換するには7年という長い時間がかかるが、滋味豊かなものができる」と
先人が言われています。
確かに、メイン圃場の作物は、すでに転換してから6年目。非常に旨味が高いのです。
先人の言葉が、証明されました。
このように、「自然栽培」と言っても中身は全く異なるのです。
ただ、無農薬&無肥料ですので、安全・安心できるという面では共通しておりますが。
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