農業レポート
我々の欲望が使い捨て社会を築いている
今回は、書籍のご案内です。
書籍は、「ホセ・ムヒカの言葉」です。
既にご存知の方が多いかもしれませんが、南米ウルグアイ
元大統領の言葉を集めたものです。
たまたま、英国のEU離脱が確定した時
(グローバリゼーションを進めてきた本家:大英帝国が
自ら、それを否定したあるいはせざるを得なくなった歴史的転換期)に
本屋さんで発見しました。
2012年の環境問題を協議したリオ会議での彼の衝撃的なスピーチが
私どもの主張していることとぴったり一致するので購入いたしました。
以下、彼の言葉です。
「持続可能な発展と世界の貧困をなくす」というのは本音でしょうか?
本音は、現在の裕福な国々の発展と消費モデルをまねしたいのでは?
マーケット経済がマーケット社会をつくり、グローバリゼーションが
世界に資源を探し消費しつくそうとしている。
我々は、グローバリゼーションをコントロールしているでしょうか?
逆に、我々はグローバリゼーションにコントロールされているのではないでしょうか?
このような過酷な競争で成り立つ消費主義社会で
「みんなで世界をよくしていこう」というような共存共栄の議論ができるでしょうか?
我々の最大の危機は、環境危機ではありません。
政治的な危機です。
人類が消費社会にコントロールされている。
消費を維持するために、「使い捨て」の社会を続けなければならない。
この悪循環は、政治問題です。
私たちはマーケットをコントロールしなければならない。
「貧乏な人とは、少ししか物をもっていない人ではなく
無限の欲がありいくらあっても満足しない人のことです。」
私どもも、農園主ご挨拶の中で、「知足」にふれ
「生き方の見直し」を提言しております。
(添付:農園主ご挨拶)
消費社会の影響を受け、農業は工業の下請けになってしまった。
そして野菜は、形はきれいになり、種類も豊富になりかつ安価になった。
しかし旬がなくなり、栄養価もさがり、甘いか辛いか味がないかの
極端なものが求められるようになった。
人びとは、今、形や色の珍しいもの、やたらに糖度の高いものを追い
もとめもてはやすが
旨味、「本来の野菜がもつべき生命力」を見失ってしまった。
料理界では、調味料が大手をふって味はどんどん濃くなり、
ますます工業化された食品が増え、添加物も多くなり、
食品の保存性は高まったが、
それを食べる人はますます不健康になって行った。
今、多くの人は、カロリー過多の栄養失調で生活習慣病を多発。
体はむしばまれ、時間を失い、家族を失い、心まで失う人が多発
社会の絆も切れていった。
そういう中で、人は、既に真の幸福とは何なのかを見失って久しい。
「幸福な人生とは、発展する・規模が拡大することではない。
愛を育むこと、人間関係を築くこと
こどもを育てること、友達を持つこと
そして必要最低限の物を持つことです。
大切な限りある時間を、無駄なことに浪費してはいけない。」
このように、人間の生きる方向を真剣に求めるとき
「閉塞感、危機感のある」現代社会にあって
人はどういう行動をなすべきなのか
自ずから見えてくるのです。
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