農業レポート
ソラマメの実験栽培part2
ソラマメの実験栽培part2
―肥毒対策と害虫駆除のジレンマ―
いよいよ冬も過ぎ、春爛漫となりました。
お陰で心配していた、越冬も無事終わりそうです。
ソラマメも花をつけ出しました。
でもまだまだ油断できません。
遅霜の心配があります。
昨日は朝最低気温がマイナス2度まで下がりあたり一面真っ白でした。
既にトンネルは撤去し、雨除けを兼ねてべた掛けシートのみ
かけております。
トンネルを撤去したのは、晴れて光が差し込むと
トンネル内の温度が軽く40度を越えてしまうことがあり。
蒸れて苗が痛んでしまうからです。
べたがけシートは、①雨が地面に直接当たらないようにするためと、②放射冷却を避けて霜が付くのを防いでくれます。
もう一つの心配は、アブラムシの発生です。
春が来ると、暖かくなりアブラムシのような小さな虫から順次大量に発生して行きます。
まだ、蜂やアブは大きな活動はいたしません。
そうして生態系が維持されて行きます。
この実験圃場は、耕作放棄2年、自然栽培1年半ですから、かなり過剰な肥料は無いはずなのですが、この地の土は重粘土質のため、なかなか肥料分を放しません。
従って、水はけを良くするために、溝幅を広げ、その土を畝に積み
高くしたときなど、昔の濃い肥料が残っていて影響することもあります。
今回は、ソラマメの隣の畝で自生してきたカラスノエンドウに
アブラムシが大量発生しました。
いずれ天敵が増えてバランスを取ってくれるのですが、何分にもアブラムシの増殖率が高く、例えば高次の生物であるテントウムシの自然増殖が間に合いません。
そうすると、隣のソラマメに飛んでくるのは必定。
確かに、第一陣が飛来、見つけて手でつぶしました。
(実は害虫駆除を手でやるには、初期対応が重要です。手遅れになると手では不可能です。)
そこで悩みました。
①本来は、過剰な肥料分を除去してくれるので、カラスノエンドウが増え、そこにアブラムシが大量発生するのは自然のバランスが取れ多いにありがたいことです。
②しかし、これが他に栽培しているもの(ソラマメ)に飛来して成長点を痛めてしまうことは避けたい。(アブラムシは最初に成長点に近い若芽に取り付き増殖して行きます。)
③これが非常に重要なことですが
アブラムシを大量発生させると、近隣の農家から苦情が出る可能性があります。
このような環境にしてしまったのは、今までの農家全体の取り組み方が誤っていたからなのですが、多くの人は現象しか見ません。
人間の病気に対応する姿勢と同じように、根本治療でなく対症療法ばかりに
目を奪われております。
しかし、農地を今後借り増して行くことを考えると、近隣農家との軋轢は極力避けたい。
以上から、今回は、大量に発生したアブラムシを焼き殺すことにしました。
ほぼ1/2をガスバーナーで焼き殺しました。
当然、カラスノエンドウも枯れてしまいます。
その時、思いのほかにテントウムシが来ているのに気が付きました。
圃場内のバランス復元作用は効いてきております。
しかい残念ながら5匹中1匹を焼き殺してしまいました。
残り1/2にはアブラムシも健在ですが、テントウムシの方が素早く移動できるので
アブラムシ対テントウムシの比率がテントウムシ優位に立てたのではないかと思っております。
以上、ご報告でした。
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