農業レポート
雑草の活用
農業レポート#34
水田の畑地化―雑草の生え方で土壌の改善状況が解る― 20180425
実験圃場3に、雨除けハウスを建てた畝があります。
この圃場は、2016年10月に2年近く耕作放棄されていた畑をお借りしたものです。
もとは水田であったものを畑にされていたようで、10㎝程の水田型の表土がありました。
ただ、①水はけが悪く②日あたりがよくないので
実際に使えるのは日の当たる半分、3畝(1畝5m)しかありませんでした。
まず①溝を切り、水はけをよくしたかったのですが、
肝心の排水溝がどこにあるのか全く見当たりませんでした。
今や耕作関係者もおらず、過去の状況が全く解りませんでした。
しかし、とりあえず溝を掘り水が低いところにしみこんで流れるようにしました。
そうして2017年夏は大型トマトを植えました。収量はハウスの半分ほどでした。
ただ、大きくなると白絹病などで倒れて行きます。水はけが悪いのでしょう。
冬は更に畝を10cmほど積み上げて畝高40cmにして白菜を植えました。
しかし、水はけ悪く10cmほど水がたまることもあり、成長はしたものの
結球するほどまでには育ちませんでした。
2018年に、隣接する水田もお借りすることになり、思い切って水をその隣接する水田の排水溝に流せるように切ってみたところ、途中15㎝ほど下に埋もれた排水溝があり
排水口の先は離接する水田の溝に出ていました。
(いずれも埋もれていてわからなかったのです。)
これを復旧すると一気に排水が良くなり、今では1日80mmの雨でも水がたまらなくなりました。
そうなると面白いことに、雨除けハウスの畝にカラスノエンドウが群生してきました。
どれほど伸びるのか放置しておくと、60cmまで伸びました。
4月に花が咲き、種をつける前に刈取り調べたところ根粒菌がいっぱいついていました。
カラスノエンドウのほかにもヒメオドリコソウも生えてきており
自然農の竹内氏が言われる、土のステージが2から3の状態に一気に上がったことがわかります。
今は、刈り取った後、畝を乾かした後さらに耕し、その上から刈った草でマルチをしてあります。5月の夏野菜の苗の定植がたのしみです。
私ども重粘土質土壌の地域で、畑作化を進めるには、まず何よりも水はけを良くすることが
第一ですが、その次は雑草の力でいかに土を団粒化して行くか。その地域に生育する雑草をうまく使って土を耕して行くかがkey pointのようです。
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